中日ファンと阪神ファン

昨夜、名古屋ドームに中日阪神戦を見に行った。三連戦の第二戦目である。
名古屋ドームはおととし以来だ。
私は「ゆるいスポーツファン」である。
何がゆるいか、というとサッカーならテレビで国際試合はほとんど見るが、J1はサッカー場で一度見ただけ。野球はというと、テレビ・ラジオで見聞きするが、野球場はめったに行かない。
こんな程度のファンである。
プロ野球のチームにしても、熱狂的ファンというにおこがましい。不埒なファンである。
私は三塁側内野席4階のシートで観戦していた。
友人にもらったチケットだったので席の選択の余地はない。
中日の本拠地だから球場全体から言えば中日のファンが多いのは当たり前だ。
三塁側というのは阪神側というエリアだが、平日ということもあって阪神ファンは多くない。
それでも三塁側内野席の半分は阪神ファンだった。
レフト側外野席の100%は黄色のファンで埋まっている。
しかし、相変わらず阪神ファンというのは元気で存在感がある。というよりやかましい(笑)
どこに行っても意外と阪神ファンは多いのだ。これは東京ドームでもそれを感じる。
誰も驚かない告白をする。
長い間阪神ファンだった私は、去年の始めから中日ファンに宗旨変えをした。
阪神が嫌いになったわけではない。応援の順位が1番目から2番目に変わっただけだ。
中日は2番目から浮上した。
対戦相手がそれぞれ違えば、阪神と中日の両方に勝ってもらいたい。
今回のように中日と阪神が戦う時が問題だ。その応援比重が中日に傾いたのだ。
理由ははっきりしている。
監督である。
岡田監督に変わって長年の私のファン心が揺れ動いた。
過去何度も監督は変わっているじゃないか、という声が聞こえる。
なぜか岡田監督と相性が悪いのだ。(一方的なものを相性というか?)
監督が変わるとよくも悪くもチームががらりと変わって成績も変わることがある。
岡田監督は優秀な監督である。二軍監督時代も何回も優勝に導いたし一軍の監督に就任してからも期待を大きくは裏切っていない。
しかし、ベンチの奥で首を傾ける姿は、私にはどうしても「藤山寛美」に見えてしまうのだ。
藤山寛美が嫌いなわけではない。むしろ関西喜劇の天才として尊敬すらしている。
何がいけないのか。
それは、「藤山寛美が野球をやっている」という違和感である!
これだ、私の心を乱すのは。
だから私は岡田阪神に感情移入ができなくなってしまった。
こんな状態に前後して、逆に落合監督が私の心を捉えた。
名選手かならずしも名監督にあらずという言葉があるが、落合監督は間違いなく名監督といっていい。野球を知り尽くした采配に、言葉の少なさがなおさら才覚を暗示する。
なによりも落合監督に好感を持つのは、負けた時にメディアの前ではけして選手を責めないことだ。
いつだったかリリーフの岩瀬が打たれて負けた。
試合後、メディアの意地悪な質問に、こう答えた。
「岩瀬がどれだけ今まで勝ちをもたらしてきたと思っているのか、(負けは)たまにはそんなこともあるわさ・・・」
その夜名古屋ドームでは結局2-3で阪神が勝った。広島から阪神に移籍した新井の移籍後初ホームランが出たくらいで、さほど劇的な展開はなかったが、やはりライブは雰囲気が楽しい。
阪神の応援団はまだ気勢を上げている。「六甲おろし」が繰り返される。
試合が終わって3万以上の観客の多くが一気に地下鉄の乗り場に向かう。その長い通路は満員電車状態でのろのろ歩きとなる。
球場でつかの間の非日常の興奮が終焉し、その余韻を味わいながらもふっと現実に戻っていく。
右の前に「ARAKI」の野球シャツを着た若者が行く、左には「KANEMOTO」が隣を笑顔で歩く。
阪神ファンから中日ファンに変節した私は前を行く若者たちを眺めて、複雑な気持ちではあったがなんか悪い気はしなかった。
なるほどなと思えたら、それぞれひと押しお願いします。

- [2008/04/24 23:01]
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