ねずみ取りシートに子供がかかった! 


数年前から食品もならべるようになった。全体から見ればわずかなシェアだ。
食品といっても乾物系で、殻つきピーナツ・切り餅・削りかつお節・乾麺・など。袋菓子や飴なども置いている。どれも問屋の在庫限りで継続性はないが、何かが切れれば別の何かが入ってくる。季節によってもアイテムは変わる。
食品は利益が薄い。しかし、置いておけば必ず売れるのでサービスのつもりで取り扱っている。


その食品を並べるようになってからの悩みの種がねずみだ。
最初の発見は殻つきピーナツの殻。商品の陳列変えに陳列台を動かしたら、ピーナツの殻がいっぱい落ちていた。ねずみだ。

本物の稲穂がうまく組み入れられている縁起物の置物があった。ある時は、その稲穂がすっかりなくなっていた。五穀豊穣の願いもねずみの餌食だ。
ねずみも生き抜くためにそれなりのノウハウを持っている。その一つに人間に発見されるのを極力遅くさせることだ。陳列してある食品を獲物にする場合は、必ず裏をかじる。表からは見えない。

ある時、少し斜めになっている床に山積みしていたミネラルウォーター2L、6本入りの段ボール箱の下から水らしき液体が染み出ていた。
「おかしいなあ、ペットボトルが割れた?」
「昨日までこんな事はなかったのに」とパートさん。
陳列をくずして調べてみると、一番奥の段ボール箱の裏側にかじられたあとがあった。それは箱の中のペットボトルまで達していた。


それ以降、ねずみ取りシートを活用。すでに20匹は捕った。
ねずみの学習能力は高く、一度ひかかった同じパターンで置いておいても次はかからない。
仲間がシートにくっついてもがき苦しんでいるのを、他のねずみは見ているようだ。
閉店後、いつも帰りがけにシートをいろいろ場所を変えて置くことにしていた。



ある日、レジ台の下のわずかな隙間に置いた。翌日、目につく所にしかけたシートは営業前に折りたたんで事務所にしまっておくのだが、レジ台下はほとんどお客さんの目には見えないのでそのままにしておいた。

その日の午後、3歳くらいのいたずら小僧は店内を走り回っていた。商品やら備品やら目につくものやたら触りまくって遊んでいる。台の下の隙間に何やらあるぞ、とその小僧の目に止まったらしい。
引っ張り出して、なぜか踏んだ。
いたずら小僧が、ねずみ取りシートにかかった。
小さな運動靴は見事にくっついて離れない。大泣きして親を呼んだ。

店内の違う場所にいた私は、子供の大きな泣き声でレジに戻った。
その時私が目撃したのは、若いパパが泣きべそをかいている子供のそばで、必死になってシートから運動靴をはがしている姿だった。


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不足分は焼酎で? 

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夕方、若い夫婦が入ってきた。夫は作業服を着ている。店内を見て回り、両袖の事務机がほしいという。店内の陳列替えをして事務机は3段積みにしたばかりだ。
リサイクルショップは、積める物は何でも積んでしまう。

両袖机は1万円。もう一つ目につけたのはファックスつき子機付き電話機15000円。
値段がひかかるのか、う〜ん、とうなっている。
「ちょっと考えてみる」と言って二人は事務机の売り場を離れた。

中古車販売店を経営しいて、事務所の机ほか備品をさがしているらしい。偶然通りがかって入ったようだ。
店内を見て回るうちに一角に目を留めた。そこには、古い100%木製の机が一時置きのため、壁にむけて置いてあった。
「これ、いくらですか」
6000円というと、急に二人の目の輝きが変わった。
「ねえねえ、これいいよね、あんなスチールのデスクより味があるね」
若い人が、時々こういう古いものに興味を示す。

すっかり気に入った様子。ファックスも買うから2つでなんとか、2万円にしてくれという。
少し時間をおいて、承諾した。ところが、ふたりは財布の中身をひっくり返し、
「1万と9650円しかない・・・・・」
「さっき、ディスカウント酒屋で酒を買ってしまったのがいけなかった。ああ、困ったなあ」
「待っていてあげるから、取りに行ったら」
「それが、家は○○のほうなんで・・・・ちょっと遠い」

いろいろ考えていた二人は、思わぬことを口にした。
「酒屋で買った焼酎を不足分にあててもいいですか」
思わず笑ってしまい、焼酎はあまり飲まないが、まあいいかとOKした。

結局、その申し出は常識的でないと思ったのか、1万円だけ内金を払い、すぐに戻るから商品を確保しておいて欲しいと言って帰った。

30分もしないうちに残金を持ってきた。
近くの親戚の家を思い出し、借りに行ったという。
そして、嬉しそうにワゴン車に机を積みこんだ。


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リサイクルショップはリユースショップ 

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リサイクルショップのリサイクルという言葉は誤用である。
リサイクルとはお役目御免の廃品を原材料の形に戻し、資源を再利用することだ。
もう使わない不用品・なんらかの理由でいらなくなったものを別な人が買ってたりもらったりして使うことは、リサイクルではなくリユースである。

アウトレットと言う言葉も本来の意味から少しづれて人々に認識されているように思う。アウトレットとは、在庫過剰の商品をメーカーや店が大きな割引率で放出・販売するのことだ。
それはファッション系に限らない。雑貨でも家具でもアウトレットはある。しかし、一般の人はアウトレットとは服や靴・バッグなどだと思っている人が多い。
アウトレットモールに行くとほとんどがファッション系ショップだからだろう。

言葉が間違って使われても、多くの人が使い続けているとそれが一般的になる。こういうことは世の中には時々ある。

またリサイクルショップと一口に言ってもその有りようはいろいろである。規模の大きさ、取り扱っているアイテムなどが店によってかなり違う。

奥さんが一人でやっているような衣料専門から、ディスカウントショップと変わらないような大型店まである。
新品を置かないガラクタのような物ばかりの店もあれば、小奇麗にしてゲーム機やソフトを売る店もある。車関連を専門にしているところもあれば、電動工具専門もある。
街中ではブランド品のみを扱っているところもある。
総合リサイクルショップといわれる店でも、商品分野に得意不得意がありお客さんに与える印象は店ごとに随分違う。
リサイクルショップが好きな人達は必ず数店回る。一点ものはその店しかないからだ。

当店の売り場面積は約100坪。アウトレット&リサイクルの店ということになっている。
総合リサイクルショップというところか。約7割が新品商品で3割が中古品だ。
そのアウトレットも当店ではもっと広く解釈している。問屋・メーカーの在庫過剰品から倒産品・B級品・わけあり品と様ざまである。


「何でもあるねえ」
と多くのお客さんは言ってくれる。
しかし、ある分野のマニアックな人達にはそれは「何にもないねえ」と同じである(笑)
だから、普遍的な商品はもちろん必要だが、もの珍しい商品も集めたい。
「これは一体何?なんに使うの」
「懐かしいねえ、昔はこんなのあったあった」
とかね。 

お客さんの滞店時間は一つの目安である。
長ければ長いほど、そのお客さんにとって面白い店だ。
時々、市場調査と称して他のリサイクルショップを見に行くことがある。つまらない店だとぐるーと回って、3分くらいで出てきてしまう。

私は遊べる面白いリサイクルショップをめざしたい。
面白さの要素の多くはあくまで「安さ」と「魅力ある商品」がたくさんあることだ。

これが難しい。


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「リサイクルショップの謎」物との出会いは面白い。 

リサイクルショップ 謎 古本 出会い

珍しい物が売れることがある。少し前のことだ。

街に古本屋がどんどん消えていくかわりに、ブックオフなど中古の本やCDを扱う新しいタイプ店が乱立している。私は若い時古本屋が大好きだったが、残念ながら時代の流れというやつには逆らえない。
したがって、勝ち目はないので本などは積極的に引き取らないことにしている。

ところが、引越しや家の建て替えで家具を引取りに行くと、ついでに本も持っていって欲しいと依頼されることがある。本の中身とか吟味せず1冊10円だったり、ただで引き取ったりしてる。
そんな仕入れ方だから、店内にきちっとした古本のコーナーを設けていない。
本棚に適当に入れてその本棚が売れてしまうと、中の本は流浪の民だ。次の居場所を探さなければならない。
価格は文庫本も豪華写真集もオール50円で販売している。

そんな中に、一冊だけ500円をつけたものがあった。正確な書名は忘れてしまったが、「無線通信ハンドブック」とかいう結構厚い辞典みたいな本だ。出版されて、25年は経っていたかもしれない。
二十歳くらいの若い子がそれを抱えてレジに来た時には、思わずその本と青年を数回見まわしてしまった。

「珍しい物を買っていくね」
「探し回っていたんです」
「そんな古い本、データーなどが古すぎて役に立つのかね」
「その古いデーターが載っている本がもうないんです」
「ふ〜ん。。。」

「神田や鶴舞の古本屋も探したし、インターネットでも探したけどみつからなかった。
こんなところにあるなんて・・・・・」
青年の顔いっぱいにお宝発見の喜びがあふれていた。

リサイクルショップを回る楽しみに一つに、こんな探し物にめぐり合うこともある。
オール50円の中でそれだけ500円にした理由は、どうせこんな古い難しい本売れな
いから、もし売れるとしたらマニアが買うにちがいない、じゃ、500円にしておくか、と
いうくらいの安直な発想だ。

勘は当たった。この場合金額は小さいけどね(笑)
この青年は探し物に遭遇しリサイクルショップめぐりがやめられなくなり、
私は勘が当たってリサイクルショップがやめられない(笑)


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さて一体どこの国の人? 

おとといのことである。白人の男性と日本人女性のペアが店に来た。外国人のお客さんは珍しくないし、リサイクルショップでは他の小売業態よりむしろ多いほうだ。
しかし、白人は非常に珍しい。しかもカメラをぶら下げて時々シャッターを切っている。ヤマハのギターを触ったり、骨董コーナーの古民具などの前で立ち止まり熱心に見たりしていた。店内の巡回を装って近くを通ると、二人は何やら聞きなれない言葉でしゃべっている。それは英語でもフランス語やドイツ語でもなかった。

数点の雑貨小物をもってレジに来た時に尋ねてみた。
「どちらの国からですか」
「ノルウェーです」
「オスロに住んでいて、時々日本に帰ってきてはいろんな所をみて回ってます」
と日本人女性が答えた。
夫と思えるノルウェー人は来日7回目らしいが、日本語はよくしゃべれないようだ。
最初の頃は、東京や京都、奈良などメジャーな所から観光していくのが普通だろう。何回も来ているうち、郊外のこんなリサイクルショップにも顔を出すようになる。

「へぇ〜ノルウェーですか。ノルウェーにもこんな店はありますか」
「ありますよ。でも、ちょっとニュアンスが違う。この店の方がいいものが多いです」
日本人妻もノルウェーと縁が長いのか、外国人的日本語になっている。
ちょっとおせいじぽいが、ありがとう。

「並んでいる商品はともかく、建物は古いしそこらじゅうが傷んでいて・・・・」と私。
そう、当店は売り場面積約100坪のロフト型店舗なのだ。
ロフト型というと今風だが、簡単に言えば倉庫だ。倉庫を店にした。プラスティック成型工場だった時もあったようで、床が水平でないところもある(笑)

「また来ます」とそのノルウェー人たちは帰っていった。多くの外国人の中で、ノルウェー人は初めての来店だった。今ではヨーロッパに旅行する人も多いし、文化・経済の交流も活発で情報も溢れている。その中で比較的なじみの薄いのが北欧三国だ。

スウェーデンはデザインがモダンな有名家具があり、日本にもボルボが走っている。
ノーベル賞授賞式はストックホルムで行われ(平和賞はノルウェー)、フィンランドはサウナ発祥の地であり、サンタのふるさと。ノルウェーはフィヨルドの大自然。そして、スカンジナビアのイメージとして勇猛果敢なバイキングだ。
一般的日本人の持つ知識はこれで終わりだ。
う〜ん、意外と知らないよなあ(笑)

ノルウェー人にたとえわずかな時間でも接することができてよかった。
実際の距離も感覚的にも遠い国が、急に近くなる瞬間であった。


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「真面目に笑えるリサイクルショップの謎」の始まりです。 

私が脱サラしてリサイクルショップのあるじになってから、すでに10年がたった。
特に独立心が旺盛でもない私が脱サラしたのも自分でびっくりだが、リサイクルショップの経営をなんとか続けていられるのも不思議である。

さらに店に現れるお客さんの様々なこと。
奇人・変人・外国人、いい人悪い人怪しい人、じいさんばあさんに暇人、若い男女に
急がしびと、子供に犬まで交えて、ありがたい事に多くの人々が出入りする。
そんな人達が織り成す出来事、面白い話、そしてリサイクルショップの小さな謎の
数々を気ままに書き連ねてみようと思う。
まあリサイクルショップのあるじの雑言たわ言だと思ってもらえばいい。

時には流通・リサイクルショップの仕組みや経営的なことに触れることもある。
起業を目指しリサイクルショップに関心のある方々に参考になれば幸いである。
と、かっこうよくしめたいところだが、たぶん何の役にもたたないだろう(笑)